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多くの作図作業の場合、作図の基本となるのは水平・垂直線です。
目分量によるマウス操作だけの、いわばフリーハンドの線だけで
作図できる図面はほとんどないと言っていいでしょう。
また、線分に限らず、オブジェクトの移動、複写の際にも
平行または垂直のマウス操作は最も基本的な操作となります。
AutoCAD LT 2009において、このようなマウス操作の補助となるのが
「極トラッキング」と「直交モード」との二つの作図モードです。
作図モードのオン/オフはステータスバーのアイコンで確認することができます。
またアイコンのマウスクリックでオン/オフを切り替えることも可能です。
アイコン以外にも、「極トラッキング」はキーボードのファンクションキーF10、
「直交モード」はF8キーでオン/オフの切り替えをすることができます。
なお、このオン/オフ操作はコマンドの実行中でも自由に行なうことができます。
【ステータスバーのアイコンとその文字表記】
以下ではそれぞれの作図モードの違いについて、「線分」コマンド実行時を例にとって説明します。
まず初期設定の作図モードである「極トラッキング」がオンになっている場合、
「線分」コマンドを実行し、線分の始点を指示した後のラバーバンド表示の状態で、
マウスポインタを始点に対してほぼ水平・垂直(角度差1°以内)になるような位置に移動させます。
すると自動的に水平・垂直のガイドラインが点線で表示され、
ラバーバンドがガイドラインに固定されます。
同時にツールチップには「極:」と表示され、
角度フィールドの数値も90°単位に固定されます。
このように、おおよその水平・垂直線を強制的に
正確な水平・垂直線に拘束するのが極トラッキングモードです。
【極トラッキングがオンの場合】
次に「直交モード」がオンになっている場合、この状態で「線分」コマンドを実行すると、
ラバーバンドは90°ごとに拘束され、常に水平・垂直線を作成するようになります。
また「極トラッキング」の場合と同様、ツールチップに「直交モード:」と表示され、
角度フィールドの数値も90°単位に固定されます。
逆に水平・垂直でない線分を作成する場合は、一点目をマウスクリックしたラバーバンドの状態で、
Shiftキーを押しながらマウス操作することで一時的に直交モードが解除されます。
【直交モードがオンの場合】
また、どちらでもない状態、「極トラッキング」も「直交モード」もオフになっている状態もあります。
その状態で線分コマンドを実行すると、当然ラバーバンドは何にも拘束されず、
自由な角度の線分を作成することができます。
ただし、ラバーバンドの状態でShiftキーを押しながらマウス操作すると、
今度は一時的に直交モードがオンになります。
以上が極トラッキングと直交モードの概要です。
上記の説明では線分コマンドの実行で説明しましたが、これはラバーバンドが表示される場合、
たとえばオブジェクトの移動や複写などのコマンド実行中でも同様の操作が可能です。
これによりオブジェクトの水平(垂直)移動・複写が簡単に行なえます。
【複写コマンド実行時に極トラッキングがオンの場合】
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