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AutoCADの一つのオブジェクトには、そのオブジェクトの
種類、画層、線種、色、大きさや位置など様々な情報が含まれます。
AutoCADではこれらを総称して「プロパティ」とよびます。
コマンドによるオブジェクトの操作は、
すなわちオブジェクトのプロパティの操作といってもいいでしょう。
そのようなオブジェクトのプロパティを表示し、
なおかつ直接編集することもできるのが「オブジェクトプロパティ管理」です。
「オブジェクトプロパティ管理(Ctrl+1またはpropertiesまたはpr)」コマンド
「表示」タブ→「パレット」→「オブジェクトプロパティ管理」
またはメニュー→「修正」→「オブジェクトプロパティ管理」
【オブジェクトプロパティ管理コマンドアイコン】
「オブジェクトプロパティ管理」コマンドを実行すると「プロパティ」パネルが表示されます。
【「プロパティ」パネル】
このパネルの最上段の「オブジェクトタイプ」欄に現在選択されているオブジェクトの種類が、
その下にオブジェクトのプロパティが表示されます。
オブジェクトが何も選択されていない場合はオブジェクトタイプ欄に
「何も選択されていません」と、現在の設定が表示されています。
AutoCADの既定の設定では、オブジェクトにマウスポインタを重ねて
強調表示させるとロールオーバーツールチップが表示され、
クリックで選択するとクイックプロパティパネルが表示されます。
オブジェクトのプロパティはこれらのツールでもある程度確認できますが、
プロパティパネルの方がより多くの情報を確認することができます。
プロパティパネルが表示された状態で、作図領域内の任意のオブジェクトを選択すると
そのオブジェクトの名称とプロパティが表示されます。
パネル内のそれぞれのプロパティの項目をクリックし、
数値入力やドロップダウンリストなどを使用して、
プロパティの編集を行なうことができます。
たとえば円オブジェクトを選択すると画層や線種などの一般的なプロパティのほか、
「半径/直径」、「円周」、「面積」などのプロパティが表示され、
すべて数値入力による編集ができます。
ある任意の面積の円を作成するには通常であれば、
計算により半径を逆算して円コマンドで作成することになりますが、
計算ミス・入力ミスのもとになりますし、どうしても誤差が発生します。
プロパティパネルを使用すれば、適当な円を作成しておいて、
後からプロパティパネルの「面積」の項目を編集することで容易に目的の円が作成できます。
【円オブジェクトの面積を編集している状態】
プロパティパネルは複数オブジェクトの一括編集の際にも非常に有効です。
様々な種類の複数のオブジェクトを選択した場合、
プロパティパネルのオブジェクトタイプ欄には「すべて」と、
続いてカッコ内に選択されたオブジェクトの個数が表示されています。
この時のプロパティ項目には、すべてのオブジェクトに共通するプロパティのみ表示され、
他はすべて「*各種*」と表示されます。
この時プロパティの項目を編集すると、
その編集結果は選択しているすべてのオブジェクトに適用されます。
これにより、たとえば円オブジェクトのみ複数選択して、
プロパティパネルの「半径」欄が(仮に)「*各種*」と表示されているところをクリックして、
たとえば「7.5」と入力してEnterキーを押すか、
プロパティパネルの他の項目か作図領域をクリックすると、
選択したすべての円オブジェクトの半径が7.5に変更されます。
【半径の編集とその結果】
また、上記のような場合、円オブジェクトのみを選択する必要も実はありません。
選択領域等で選択したい円オブジェクトを他のオブジェクトも含めて一括して選択します。
するとプロパティパネルのオブジェクトタイプ欄には「すべて」と表示されますが、
その右側のドロップダウンボタンを押すと、オブジェクト群に含まれる
オブジェクトタイプとその個数がドロップダウン表示されます。
ここでドロップダウンリストの中から「円」を選択して、
上記と同様に「半径」の数値を編集します。
このようのプロパティパネルを使用すると、選択セットの中の特定のオブジェクトタイプの、
特定のプロパティ項目を、ピンポイントで一括して編集することができるようになります。
【オブジェクトタイプのドロップダウンリスト】
このようにプロパティパネルは作業上非常に有効なツールなので、
画面の大きさが許すのであれば常時表示しておくとよいでしょう。
その場合はクイックプロパティパネルの表示は必要ないかもしれません。
なお、プロパティパネルは作図領域の端部にアンカーしたり、
自動的に隠す、半透明にするなどの表示設定を行なうことができます。
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